インプラント

インプラント治療の失敗を防ぐために最大限注意すべきこととは?

インプラント治療にまつわる情報は溢れかえり、治療を検討する患者さん側にとっては何を注意していいのかわかりにくい状況でないでしょうか。インプラント治療を長期に亘って成功に導くためにはいくつか守るべき事があります。これからインプラント治療を検討される方も、すでにインプラント治療を受けた方も参考になると思います。

インプラント治療の失敗とは?

ひとえにインプラント治療の失敗といっても、様々な状況があります。まずは失敗とは何を意味するのかを説明します。それに対して注意できることを解説します。

インプラント体が骨と結合しなかった

インプラント治療はチタン製のネジ型のインプラント呼ばれるものを骨内に埋め込み、2~4ヶ月の治癒期間を持って骨と結合します。骨と結合する成功率はおよそ上顎で95%、下顎で97%程度といわれています。骨と結合しない代表的な理由としては、以下が挙げられます。

  • 骨が柔らかすぎてインプラントが固定されなかった
  • 骨が硬すぎて削る時に骨が火傷してしまった
  • 骨内に炎症性の病変が残っていた
  • 治癒期間に外的な力がかかりすぎた
  • 病気や内服薬で骨の代謝が損なわれていた

インプラントと骨が結合しないことに対する注意点

骨の質や硬さ、栄養状態、病気など個人差が影響する部分とそれを鑑みて治療方針や手術方法などを計画する医師の部分との要素が混在します。医師の知識や技術的な部分は患者さんにはわからない面が多いと思います。特に体に起因する骨の代謝状態は医師でも推測の部分が多くなります。わからない部分はリスクがあるという説明をきちんとしてくれる医院であり、選ぶ患者さん側にも理解に務める努力が必要でしょう。

  • インプラント治療に長く携わっている医師が所属している
  • 医師が学会やスタディグループに参加している
  • 十分な検査やカウンセリングを経て手術に至っている。初診や2回めなどで手術になることはない
  • 自分の体の状態を把握しておく、毎年人間ドックなどを受ける。自分にとっては当たり前の薬やサプリメントであっても、体への影響があるため、必ず申告する
  • 手術後は医師の言うことを守って過ごす

一度は結合したが、噛んでいるうちに骨との結合が壊れた

インプラントは2~4ヶ月で骨と結合しますがこれはあくまで表面に限ったものです。骨は力がかかることで次第に強くなっていきます。骨が成熟する期間を待たずに力をかけ過ぎると骨との結合は壊れます。また、成熟していても歯ぎしりや噛み締めなど異常な力がかかり続ければ、骨との結合は壊れます。インプラントも歯と同じように歯周病になり、骨が吸収します。噛んでいて違和感がある、嫌な感じがする、動く感じがする、これは骨との結合が壊れているサインです。

 

インプラントと骨との結合が壊れないための注意点

  • インプラントの仮歯が入ったら少しづつ柔らかいものから歯ごたえのあるものへと試しましょう
  • 仮歯は最終形態のテスト期間です。使って違和感や痛みがある場合はすぐに主治医に伝えましょう
  • 個々人の噛み合わせに応じた設計は医師側の条件ですが、気がついたことは全て伝えましょう
  • 定期検診を受けることで噛み合わせの変化を発見できる可能性が高まります。特に無意識での噛み締めや歯ぎしりはインプラントにとって最大のリスクです。
  • 定期検診を受けることでインプラント周囲炎の発見や管理に役立ちます。インプラントは身体にとって異物です。適切な管理の元で長持ちします。
  • 定期検診は3~6ヶ月の1度、痛みや腫れなど症状がなくても受診しましょう。インプラントは無症状で骨が溶けていきます。

インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)

インプラントも天然の歯と同じように口腔内にいますから、清掃がうまくいかなければ歯垢が溜まり、歯周病原菌によって歯茎に炎症を起こして骨が溶かされます。インプラントは人工的に作った歯ですので、天然の歯と比べると歯周病原菌にたいする抵抗力が弱いのです。インプラント周囲炎が続けば骨が次第に溶かされてインプラントを抜かざるを得ない状況になります。

インプラント周囲炎を防ぐには

  • インプラントも歯と同じように丁寧にブラッシングを心がける
  • 歯間ブラシはフロス、タフトブラシなど要に応じて使う
  • 歯科医院から指定された歯磨剤を使う、市販の安価なものはチタンやセラミックを傷つけて汚れがつきやすくなる
  • うがい薬(デンタルリンス)はブラッシングの後に使う、効果はあるがあくまで補助であり、ブラッシングの代わりにはならない
  • 定期検診でチェックとプロによるクリーニングを受ける。症状がなくてもインプラント周囲炎は進行する

うまく噛めない

インプラントもしっかり結合しているし、きれいな歯も入ったが、噛みにくいという場合も広い意味では失敗です。元々歯並びやかみ合わせが良くない人の場合は、歯を失った=同じ場所にインプラントでは噛みにくい場合があります。また、抜歯になる時は骨も一緒に失っていることが多く、歯が必要な場所ではなく、骨がある場所にインプラントが埋められると、歯の形がいびつになって噛みにくいという状況になります。

インプラントでうまく噛めないことを避けるには

  • 治療計画の段階で自分の口内に関心を持ち、術後のイメージを医師と共有する
  • 特にインプラントの位置は重要な要素であるため、インプラントが埋められるかだけではなく噛みやすい歯を作ることができるかもよく確認する
  • インプラントの仮歯が入ってから、使いながら不具合は修正してもらう
  • 最終的な歯が装着されてからも、気になることはそのままにせずチェックしてもらう

見た目が悪い

前歯や見える部分のインプラント治療は骨と結合するだけではなく、見た目も適切な形に戻す必要があります。多くの場合、骨移植、歯茎など軟組織の移植を行います。元の状況によっては非常に難易度が高い治療になります。そして、移植した骨や歯茎が長年にわたって安定していくかも注意深く観察してゆく必要があります。歯が痩せて下の金属体が見えてしまう、歯と歯の間の隙間が大きく息が漏れる、見た目に長く大きい歯になってしまうなどの失敗が挙げられます。

インプラントの歯の見た目が悪くなることを避けるには

  • 治療計画の段階ではの形だけでなく歯茎の形やボリュームが再現されるかを医師と共有する
  • 審美的な要素が優先される前歯などはインプラントではなくブリッジを検討することも必要(ブリッジの方が審美的に仕上げることが容易であるため)
  • 仮歯が入った段階で使いながら気になる部分は医師にメモなど形に残るようにして伝える
  • 術後も過剰なブラッシングはしない、定期検診で管理を続けてゆく

磨きにくい

インプラントはしっかりとしているけれど、磨きにくい、磨けないというのも失敗の一部です。

磨きにくいインプラントになるのを避けるには

  • 治療計画の段階で自分の口内に関心を持ち、術後のイメージを医師と共有する
  • 特に狭い場所にインプラントを入れた場合は磨きにくくなる可能性があり、本当に必要な本数なのか、インプラント治療がベストなのか医師とよく相談すること
  • インプラントの仮歯の時点で磨きにくさがあれば必ず医師に伝えること

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